できごと:

 後片付けをちゃんとやっていく子と放りっぱなしの子がいます。自分は放りっぱなしの子として育ちましたが、何かと管理する立場になってみると後片付けしていく子は良い子に見えますし、放りっぱなしにされるとコノヤローという気持ちになります。結局誰かが後片付けしないといけないのですね。その負担が一人に集中すると悲劇です。

 やはり誰かが後片付けしているんだという想像力を働かせて後片付けやって欲しいです。A子さんはこの点しっかりしているのです。

 

論評:

 前回、都合が悪くなると「あいつらは頭がええから」と言い訳する生徒の話でしたが、今回は勉強は誰のためのものか、です。

 長年、塾をやっていまして実際的な、具体的なことだとものすごく頭が働くのに教科書や勉強となると頭が閉じてしまう生徒さんを多く見てきました。一方、勉強はできるのに気が利かない、実際問題の役に立たないタイプの人も世の中にいるようです。結論から言って、たくさんの科目を勉強し、しかも基礎から積み上げていく方式の勉強スタイルは未来派とは言えないと思います。そのやり方だと、いわゆる秀才タイプの人間に有利なのです。

 結論的にはプロジェクト方式と申しますか、ある課題を持ち、その課題を解決するために書物を紐解き、インターネットを検索し、アイデアを試してみて、失敗し、また試す。という方式の勉強が秀才のためだけでないみんなのための未来派的勉強法でないかと愚考いたします。

 この場合、本人に「課題が持てるか」「課題を持っているか」が重要です。そのために学校の勉強があり、実は膨大な人生経験が必要なんです。学校なんか行っているヒマはないっ!というくらいのもんです。しかし現代は世の中に出ても実にパート的な仕事が多く、経験も一方に偏ったものになるかもしれません。

 密かに自分の課題を見つける努力をしてください。ちなみに野球の野村監督の中高時代の課題は「お金を稼ぎ母親を楽させたい」だったようです。お金、そのためには最初は俳優を目指し、次にプロ野球選手を目指したということのようです。

 

エピソード:

 また山の田んぼの話です。当方の田んぼのやり方は田植え前、田の草を刈りそれを肥料として稲を育てます。田にセリが増えたので刈って日干しにして絶滅させようとこのところの好天を利用して何日も何日も干していました。もういいだろうセリは日干しになっただろう明日は水を入れようと思っていた矢先、とんでもない強風が吹き、干し草は空中高く舞い上がり隣の田んぼに落下。僕としては「肥料が、肥料が」と飛んでいくのを手をこまねいて見ているだけ。

 さて強風一過翌日、飛んだ草で拾えるものは拾って田にもどしてやりました。僕は昔の人から極意をさずかったような気になりました。つまり強風の時は抗わない、やり過ごしたらまた一から始める。昔の人はこんなことばかりしていたんだろうなと思いました。

 

塾長の豆知識:

 鳥目(とりめ)という言葉があるので長年、鳥は夜見えないのだろうと思っていました。しかし夜、カモなど飛んでいるのを目にします。あれ不思議と思っていましたらニワトリが夜見えないことから来た言葉らしいです。つまり多くの鳥は夜見えます。

                                      泉田 ☆