明けましておめでとうございます。今年はどんな年になるのでしょうか?年末の忘年会では「2012年を漢字一文字で表すと?」と言った人がいまして或る人は何もしない方がいい「静」と言い、或る人は「捨」と言い、また或る人は「美」と言いました。「惨」とかもありそうですね。

 さて結構静かで充実した冬期講習となりました。3年生はいよいよ本番が近づいて来ました。長い時間やってきたことが試される時でもあります。総仕上げのまとめに入る人、追い上げのラストスパートに入る人など様々な3年3学期があることでしょう。照れないでがむしゃらに自分の置かれた状況の中で自分の力を出すようにしましょう。いつになくちゃらけないで自分の力でもがいている様子はけなげであり、力のつく場面でもあります。

 さて今月の話題ですが年末・年始と「今後の日本をどうするのか」といった番組や記事を目にされた方も多いかと思います。その中には「富国有徳国」(経済的豊かさはゆずれない)をめざすのか、大国志向は捨て日本の伝統的文化に根ざした「質実剛健国」をめざすのか、政治家ではなく日本人の一人一人の志向が問われていると結んでいる記事がありました。たしかに一人一人が政治家をあてにするのではなく自分の方向性を明確にした方がいいかもしれませんね。

 蛇足ですが年末に傾きかけた家の柱や雨漏りのする瓦を治してもらったのですが瓦の方は2万円台、家の骨組みの方は16万円台でそれぞれ治してもらって、こんなに安くていいのかと巷にまだ存在する「有徳」を感じた次第であります。

                            泉田 ☆

 私は昼間、職人仕事をしています。家が個人経営の住宅設備屋で、富山市内の上下水道工事を主に行っているのですが、今では父も殆ど引退と言ってもよく、私が大概1人で仕事して、どうしても1人できないときにだけ父に手伝ってもらうようにしています。

 この仕事をどうやって覚えたのかと言うと、特段一から十まで教えて貰った訳ではありません。職人というのは何でも教えてくれる訳もなく、自分で観察して覚えるものだと昔から決まっているようです。ですから父も例外ではなく、一番多く言われたのは「黙って見ていろ」ということでした。下手に質問をしようものならば、「煩い」と怒鳴られてばかりいました。

 こうしたことは、表向きは他人に技術を漏洩させてはいけないから、ということになっていますが、本当の理由は別のところにあります。それは、教えて貰ったことを実行していただけでは、いつまでたっても力がつかないからです。ですから他人がやることをしっかり観察して、それを考えながら自分のものにすることが大事になる訳です。

 問題に対する答えを覚えることが勉強だと思っている人が多いようですが、このことは本当に寂しいことです。数学にははっきりとした答えがありますが、世の中の出来事ひとつひとつとって、となると正しい答えがない場合が殆どです。中日ドラゴンズの前監督である落合博満氏が、昨年退任後テレビのインタヴューに応じていましたが、そのなかで特に印象に残ったのは、選手に何か訊かれても、答えなかった点です。理由は正しい答えが分からないから、答えが分かる人なんて居ないからで、自分ができるのは選手が答えを自分で導き出す為のアドヴァイスなのだ、と言うことを述べておられました。そのアドヴァイスは言葉だけではない筈です。勿論ヒントを教えるのはその一つでしょうが、他には関係のない練習をさせたり、守備で大胆な配置換えをしたりして、その都度選手に「とにかく考えさせる」ことを徹底してやったそうです。そうしたことはファンや周囲から見ると「いかにも冷たい人」と思われたものですが、選手からは実に信頼が篤くチーム全体には強固な結束力も築き上げられました。その結果落合氏が中日を率いての成績がどうだったかについては、言うまでもないことだと思います。

 野球を例にとりましたが、社会に出た場合なども正しい答えが分からないなかで、自分で考えて判断して生きていかなくてはいけません。何かあれば役所や警察や裁判所が法律で守ってくれる訳ではありません。まず自分の身は自分しか守れないのであって、公共機関はそのお手伝いをしてくれるのに過ぎません。

 それは何も社会に出てからだけではなく、目の前に迫っている受験においても、先生がついて行ける訳ではありません。見たことがない問題を習っていないから解けないと言っても始まらないのですし、尋ねる相手が居ないのが試験というものです。分からないことも何とか自分の力で解くしかないのです。ですから普段から分からないことがあっても「まず訊く」ではなく「まずは考える」努力をしていって欲しいと思います。

                      中川 ☆             

親御さんの声

 
いつもお世話になりありがとうございます。
最近反抗期(思春期?)なのか以前より会話が少なくなっているのですが塾の方ではどんな様子なのでしょうか? 学校のテストで良い点数の教科は自ら報告したりもするのですが… 全教科聞かせてもらえるのを期待してます。

  はい、私自身子供の頃はよくしゃべる子供だったらしいのですが中学高校とじょじょに無口になり、いまや必要な連絡意外はしゃべらない無口な人間になってしまいました。そういうわけで彼と私がいましても特に話をすることもなくひたすら問題練習をしています。かといって彼に暗さは感じていません。

 しかし、もう少し塾内に会話があるようにした方がいいかもしれませんね。