新年おめでとうございます。歳月人を待たず。おそろしく早く時代が先へ進んで行きます。一方こちらはあっちにもこっちにも白いものが混ざって焦ります。

 塾内の様子は静々と実力養成に励んでいます。が、中にはそれを待ちきれない親御さんもいらっしゃって結果が出ないということですぐ次の手へと打ってしまわれる方も散見されます。残念です。一方、期末で20点しかとってないのに継続なさるのみならず時間増しをなさる御父兄もおられます。がぜん力が湧いてきます。不思議なものですね。

 さらに「英語の2年の復習をしてくれ」とか「今度は数学に力を入れてくれ」とかうまく注文を出してくる親御さんもおられます。利用の仕方がうまいと思います。というか自分の子供の様子をうまく把握しているなァと。

 話し変わりまして、また指導の仕方と生徒のやる気の関係ですが、とかく教師というものは、高い壇上から正しいことをこれでもかこれでもかと押しつける体質があります。つまりこちらが正しいことを言えば言うほど下のほうで萎えている生徒を萎縮させるという結果に終わってしまうことが多いわけです。弁明すると、ほめるきっかけが見つからないというか。こういう時は間違っていてもほめるとかしてなんとかやる気のスターターをつかまねばなりません。やはり壇を一歩降りて生徒と同じ土俵で泥まみれになるのが道でしょうか?

泉田 ☆


 昨年の暮れは雇用情勢がいつもになく厳しく、年越し派遣村で新年を迎えた国民もいるくらいになりました。そうしたなかで政府が有効な対策を打つこともできずにいるのですが、これはどういうことなのでしょうか。戦後教育は高度経済成長を基準に考えられてきました。今でもこの時のことの延長で物事が考えられているのですが、それが全国民あげての浪費国家に仕立て上げ、日本の国土、特に農地や森林を疲弊させ、さらには全世界の資源の枯渇を招いているのです。それだけでなく何よりもの問題が、貧富の格差が拡大していることで、年末の東京での出来事は、それが顕著になったものと言えるでしょう。

 そのような状況ですので、お金にものを言わせるという生き方は限界にきていて、そろそろ考え直す時代に差し掛かっていると思われます。それとともに、高学歴が幸せになる条件とも言えなくなってきます。知識よりも困難な時代を乗り切る知恵が大切になるでしょう。ですからこれからは、これまでのような点数で進学を決めるのではなく、何の目的をもって進学するかが問われることになってくるでしょう。そうした学校選びを、受験生は各自工夫して取り組んで頂くことを望みます。

                       中川 ☆